染織家 西川 はるえ の日記
<< April 2018 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 >>
<< 葡萄野花刺繍織更紗角帯 | main | Y.&SONS 初午・琉球春節 >>
「大麻文化を取り戻したい!」という安倍昭恵首相夫人の記事を見て
(昨年12月にfacebookページに書いた記事の転載です)


安倍昭恵首相夫人「日本古来の『大麻文化』を取り戻したい」日刊SUPA!
http://nikkan-spa.jp/1000384
安倍昭恵首相夫人のfacebook記事
https://www.facebook.com/akieabe/posts/10153774320651779



大麻(ヘンプ hemp) は古くから日本人の生活に
様々なレベルで深く関わってきたものでありながら、
現代ではドラッグとしての認識以外、一般的にはほぼ忘れ去られた存在でした。
それがこうやって見直されるようになってきているのは隔世の感もあり、
素直に嬉しいと思います。

大麻が地球を救うとか、万能の素材だとか、
そんな大風呂敷を広げるとロクなことはないと個人的には思っていますが、
一般的な素材の1つとして、繊維、油、食用、薬用など、
有用に使われるようになるといいなと思います。
産業としてどういったレベルで成り立つのかを考えると簡単ではありませんが、
この15年余大麻の糸を使って布を織っている自分にとって、
絹や木綿、ウールなどとは異なった大変に魅力のある素材であることは確かです。


繊維としては、ヨーロッパにおけるリネン(亜麻 linen)のように、
日本には大麻や苧麻(ラミー ramie)などの麻の文化が
古くから受け継がれてきたことを日本人自身が認識し、
実際に素材として使われるようになればといいのにな、と思っています。

少し前に日本でもリネンのブームがありましたが、
欧州では衣料はもちろん、高級な寝具や、
テーブルクロスやナフキンなどのテーブルまわりに素晴らしいリネンの文化があります。
それの日本版としての大麻、という位置づけがちゃんと確立出来ていたら、と。
しかし現実には、現在日本で「麻」と品質表示が出来るのは
ラミーと、元々日本にはなかったリネンのみ。
日本で苧麻と並び古くからある大麻は「指定外繊維」の表記、
それ位マイナーな素材となってしまっています。
大麻も麻表記でOKとなる位一般的になれば嬉しいのですが。


古代エジプトではリネンは神事に使われていたといいますし、
聖書にもリネンは度々登場します。
一方日本では、大麻が古くから神事に使われ、
天皇家や神社との結びつきも深いといいます。
精神性の方に重きを置くことは私個人はあまり得意ではないのですが、
それ位日本人にとって関わりの深い植物であった、という事実はあると思います。


今までドラッグとしての大麻のイメージがあまりに強く、
実際に大麻合法化の動きには個人的に胡散臭さを感じることが多かったのですが、
そうではなく、1つの有用な産業素材としての認識が広まってくるといいですね。


一昨年はエーベックスから大麻を使った生地ブランド、
麻世妙(まじょたえ)が出来ました。
地方創生とかエコロジーとか再生可能エネルギーとか
クールジャパンなどがキーワードとなっている時代でもあります。
もしかすると流れは変わってきているのかもしれません。





JUGEMテーマ:アート・デザイン

COMMENT









Trackback URL
http://blog.textile-cocoon.com/trackback/1268841
TRACKBACK