染織家 西川 はるえ の日記
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「インド カッチの布と暮らし 7名の職人を迎えて」


昨日は吉祥寺OUTBOrUNDさんへ。

「インド  カッチの布と暮らし 7名の職人を迎えて」というCALICO代表の小林史恵さんと、インド 北西部パキスタン国境に近いグジャラート州、カッチ地方 から来日された7名の職人さんたちのお話会に参加してきました。



CALICOさんは2012年に設立された、インドの手仕事布の持続的発展を支援するブランド。「インドと『日本』」だからこそ出来ることをしなくては意味がない、と仰る史恵さん。8世紀ごろインドから三河に綿の種子が伝わったものの日本国内での栽培は一旦途絶え、そののち輸入品として珍重された古渡更紗、島渡り、唐桟 などの綿、キャリコ。江戸時代に入り国産の綿の爆発的な広がりによって日本人の生活を変えた綿(大きく脱線して近代世界史を紐解けば、インドのキャリコはイギリスの産業革命の原因のひとつでもあり、新大陸アメリカの黒人の歴史にもつながるお話になりますね..)。落ち着いた丁寧な語りの中に小林さんの熱い思いを感じました。はじまったばかりという古渡更紗プロジェクト もとても楽しみです。



1980年代、伝統的な技術や部族の文化の伝承が途絶えつつあることに危機感を持ちアクションを起こしたのが今回来日した世代の1つ前の世代の人たち。90年代にこの地方を襲った干ばつ、2001年の大地震という環境的な苦難から、さらに団結力が高まり、若い世代に受け継がれているようにも感じられました。彼らが職人でもあり、同時にタフな商人でもあることの意味。日本の産地、職人、作り手達も見習うべきところもあるのでは、と思います。



人工的なものに囲まれ生活をせざるを得ない私達には、無意識にせよ意識的にせよ、土の匂いのするもの、人間臭さ、手仕事のゆらぎ、人によっては背後に精神性や呪術的な物語のあるもの惹かれて、身の回りに置いたり身につけたりしたい、という欲求が生まれるように感じます。過剰な物語やスピリチュアリティは取り扱いが難しく、距離をおきたい、というのが私の個人的な立場ですが、高度なテクノロジーと手仕事が共存し、お互いに影響を与え、なにより「手仕事で経済的にまっとうな幸せな生活を送ることが出来る」世界になってほしいと願います(→自分が切実、笑)



蛇足ですが、1994年にカッチ地方を訪れた時の写真をいくつか持って行き職人さんたちに見ていただいたら、アジュラック染めの職人さんが「これは僕の叔父さんだ」と、スマホで写真を撮っていかれました。24年前、まだ学生だった自分にこんな面白い未来があるよと教えたくなりました。


写真は小さな戦利品。


House.の革の道具、CALICOの布と衣服

2018年6月23日[土] – 7月6日[金]|11:00 – 19:00

6月26日,7月3日[火]休み

OUTBOUND

東京都武蔵野市吉祥寺本町2-7-4-101

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